私たちは、資産運用会社として投資先の企業のガバナンス向上を要求する以上は、自らもグローバル水準のガバナンスを常に追求し続けて行きたいと考えています。私たちがガバナンスの柱として考える3つのガバナンス、つまり、経営のガバナンス、議決権行使のガバナンス、ファンドのガバナンスにつきまして、その活動状況をご紹介いたします。

私たちはガバナンスに関する活動を、企業活動の最高位に位置付け、経営のガバナンスはもちろんのこと、議決権行使のガバナンス、ファンドのガバナンスについても、すべて取締役会に直接報告をしています。また、最良のガバナンスを目指すには外部の目を入れる事が不可欠であると考え、当社の取締役会には、議長としての独立社外取締役を筆頭に、上場企業に求められているよりも多数の社外取締役を配しています。また、議決権のガバナンス、ファンドのガバナンスを担う委員会につきましては、社外のメンバーを過半数として、議長も社外のメンバーから選任することで、独立性を堅持しています。

経営のガバナンス


私たちは、お客様からお預かりした資産の運用に携わる者として、かねてより資産運用業務に精通した経営陣を中心とした業務運営体制こそが会社としての基盤を盤石にするとの強い考えの下、経営層の人材確保に努めて参りました。

2018年5月に岩間陽一郎氏を社外取締役兼取締役会議長として招き、独立した立場から同氏の広い知見を当社のガバナンス強化に取り入れ、同氏の参画を機に一層の取締役会の活性化や経営に関わる重要事項の決定プロセスの透明性確保、更には運用力向上のための課題等への活発な意見交換等を行っております。社内外取締役それぞれの経験・見識に基づいた意見交換や議論を通じて、私たちは資産運用業界全体に対するフォワードルッキングな視点で当社の将来像や差別化への取組みについて日々検討しています。

2019年1月現在、当社の取締役会は独立社外取締役が5名を占め(取締役会議長含む)、その内4名は、資本関係のない純然な社外からの人材を登用しており、業界内でも極めて独立性、透明性の高いガバナンス態勢を確保しております。

議決権行使のガバナンス


私たちは、2016年6月に、企業とのエンゲージメントや議決権行使などのスチュワードシップ活動における透明性向上とガバナンス強化を図るため、社外委員が過半数を占めるスチュワードシップ&議決権政策監督委員会を発足しました。このような第三者委員会の設置は、国内の運用会社で初めての試みです。同委員会は、原則として四半期に一度開催されており、社外委員との間で活発な意見交換が行われてきました。これまで合計で12回の開催実績を持ちます*。詳しい活動については別紙(PDF)をご参照ください。

*2019年1月25日時点。

ファンドのガバナンス


2017年9月に、社外委員が過半数を占める、ファンド・アドバイザリー・ボードを発足し、原則として四半期毎に同委員会を開催することとしております。2018年1月以降、計3回の委員会を開催し社外委員との間で意見交換を行いました。詳しい活動については、別紙(PDF)をご参照ください。

日興アセットは、顧客の利益を最優先に考え、各資産クラスに長期的に投資するグローバルな運用会社です。長期的な価値の創造において、持続可能な責任投資となる、環境・社会・ガバナンス(以下「ESG」)の三大要因を切り離して考えることはできません。投資プロセスへのESG要因の組み入れは、フィデューシャリー・デューティーに関する取り組みと一貫しています。

サステナビリティ(持続可能性)とは、次世代のニーズを損なうことなく、現在のニーズを満たすべく、あらゆる組織が今日直面する課題とリスクに取り組むことを意味しています。我々のESG方針は、一企業として、持続可能な組織経営を行うこととも一貫としており、また、我々の倫理行動規範には、日興アセットのコアバリュー、企業の社会的責任、グローバル・シチズンシップに対する考えが示されています。

UN PRI


日興アセットは、2007年に国連の責任投資原則(PRI)の署名機関となりました。PRI発足後早期の署名は、日興アセットがフィデューシャリ―・デューティーの範囲内で6つのPRI原則全てに真摯に取り組む決意の表れです。

日興アセットのESGグローバル・ステアリング・コミッティーは、グローバルエグゼクティブコミッティー(以下「GEC」)の信任を得て設立され、ESGの取り組みにかかるコミットメントの遂行を監督しています。同コミッティーは、運用グローバルヘッドが委員長を務め、国内外の運用拠点の株式及び債券運用チームのリーダーによって構成されており、日興アセットのESG課題とPRI原則へのアプローチの実効性を評価し、最良の手法を検討する役割を担っています。アクティブ運用においては、ESG課題を考慮した投資プロセス、また、投資先企業とのエンゲージメントおよび議決権行使といった2つのアプローチによって、コミットメントの実施に向けて取り組みます。一方で、資産クラス、運用戦略、顧客の運用指図に鑑み、適切と判断される場合には、運用チーム毎にそれぞれの運用哲学と投資プロセスに即した独自のESG方針とプロセスを採用する場合があります。さらに、同コミッティーは、各運用部門によるPRI原則の実行状況を検証し、改善に向けた取り組みを推進していきます。

6つのPRI原則に基づき、日興アセットは、以下の全社共通方針を定めています。

原則その1. 日興アセットは、投資分析と意志決定のプロセスにESGの課題を組み込みます

日興アセットはファンダメンタルズに基づく投資プロセスとESG課題は切り離せない関係にあると考えています。そのため、ESG課題の投資プロセスへの組み入れは、ESGの専任チームを擁することなく、全運用担当者の責任において行います。その際、各運用チームは、それぞれ独自の運用方針に基づきESG課題に対応することがありますが、各運用チームのヘッド、ひいては運用グローバルヘッドが、ESG課題の投資プロセスへの組み入れとPRI原則の実行に関し、最終的な責任を負います。サステナビリティの実践手法は日々進化を遂げていることから、運用チームにはESGに関連するツールや情報、年次の研修など、最適な方法でESG課題を投資プロセスに組み入れる環境作りをサポートしています。さらに、投資サービスプロバイダーに対し、ESGに関連したプロダクトやサービスの継続的な改良を働きかけます。また、運用を外部委託している場合は、外部委託先の運用会社がESG要因を組み入れ、PRI原則を実行しているかを考慮します。

原則その2. 日興アセットは、活動的な所有者になり、所有方針と所有慣習にESG課題を組み入れます

日興アセットは、活動的な所有者として議決権行使および投資先企業とのエンゲージメントを行ないます。長期的な投資家として、必要に応じて経営陣と適切なエンゲージメントを行なうなとは、企業のESG指標やサステナビリティの改善に寄与し、また、企業努力に対する投資家の理解も深まると考えます。パッシブ戦略においては、議決権の行使とエンゲージメントを通じて、適宜、ESG課題の組み入れに尽力します。さらに、PRI原則の普及をサポートするため、各運用拠点の慣習に従い、議決権行使結果を開示します。

原則その3. 日興アセットは、投資対象の主体に対してESGの課題について適切な開示を求めます

日興アセットはESG課題の透明性の向上と開示の促進を支持します。ESG課題を適切に投資プロセスへ組み入れるためには、十分かつ正確なESG情報が必要となります。長期的な投資家として、投資先企業の経営陣との活発な対話を通じて、ESG情報の開示は促進されると考えます。このように、企業による更なる開示努力と、投資家が安定かつ継続的、標準化された情報開示を求めることを支援します。

原則その4. 日興アセットは、資産運用業界においてPRI原則が受け入れられ、実行に移されるように働きかけを行ないます

日興アセットは、ESG課題は投資プロセスから切り離せないものと考えます。我々は、社員ならびに既存および見込み顧客に対し、ESG課題が投資の意思決定に組み込まれている理由とその手法に関する情報を発信します。日興アセットは、将来にわたりPRI原則が受け入れられ、実行を可能にするような、規制当局や業界の活動を支援します。

原則その5. 日興アセットは、PRI原則を実行する際の効果を高めるために、協働します

日興アセットは、ESGのベストプラクティスを推進、実行するため、顧客や資産運用業界の関係者と積極的に協働します。このようなイニシアチブは、ESGグローバル・ステアリング・コミッティーによるバックアップを受け、その活動内容はGECに報告されます。日興アセットは、外部の投資サービスプロバイダー情報等、ESG分析をサポートする専門のリソースを提供し、継続的なESG及び責任投資にかかる社員研修を義務付けることを方針としています。研修の一環として、ESGに関連したツールやリソースの共有、顧客報告を題材とした実践的な演習など、ネットワークや情報プラットフォームを利用した実践的な研修を活用することもあります。

原則その6. 日興アセットは、PRI原則の実行に関する活動状況や進捗状況に関して報告します

日興アセットは、資産運用業界に影響が波及することも期待し、様々な方法でPRI原則実行の進捗状況の報告と開示を行ないます。社内向けには、PRI原則実行の進捗状況と運用上のインパクトを含む、ESGに関連するあらゆるプロセスの実施状況と活動内容について、最低でも年に1回GEC及び取締役会に報告します。社外に対しては、顧客からの問い合わせに応じて、特定のポートフォリオに関連するあらゆるESG課題、もしくはESG課題をどのように投資プロセスに組み込み実践していくか、といった一般的な質問について回答を行ないます。さらには、社員、資産運用業界、受益者に向けて、活動的な所有者としての活動の開示を含む、投資プロセスにおけるESG課題の重要性に対する我々の姿勢について情報を発信します。

我々は、商品の投資戦略や顧客との契約上、明確に規定されている場合を除いて、企業倫理や道徳的側面から、特定資産、業種、企業を投資対象から除外することはありません。

日興アセットの持続可能な責任投資に対する、継続的なプロセス改善を反映させるため、本方針は、随時改定されます。