今や日本でも多くの企業がD&Iの重要性を認識し、改革が進んでいます。グローバルな運用会社である「日興アセットマネジメント」は、早くからD&Iの実践に取り組んできた一社。 車いすラグビー日本代表選手であり、同社社員の池 透暢氏と、マーケティングの共同グローバルヘッド、ステファニー・ドゥルーズ氏から、「誰もがより輝ける社会」のヒントを聞きました。

ドゥルーズ:
まずは昨年の世界選手権での優勝おめでとうございます。社内でもテレビ観戦していましたが、皆で大興奮でした。

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ありがとうございます。帰国した際も会社中から温かく迎えてもらえて、とても嬉しかったです。

ドゥルーズ:
当社でアスリートを仲間に迎え入れるのは初めてのことでしたが、私たちの同僚が世界の舞台で戦っている姿はとても励みになりました。池さんを通して社内が一丸となれたのも新しい体験でしたね。

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皆さんの理解があるのは本当にありがたいですね。私の生活の大部分は、やはり毎日のトレーニングや頻繁に行なわれる試合などが占めています。それを積極的にサポートしてくれる日興アセットは理想の職場と感じます。

ドゥルーズ:
その多忙なスケジュールの中で、当社での活動にも力を入れてくれていますよね。

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社内外に向けて、研修やセミナーで講演する機会も多いです。参加者の皆さんが熱心に耳を傾けて下さるのが印象的でした。

ドゥルーズ:
今日の輝かしい成績に至るまでの過程は胸を打つものがありました。「もっと頑張ろう」と鼓舞される思いでした。


経験してこそ分かること

ドゥルーズ:
一方、日本ではパラスポーツの認知度や人気は欧米諸国に比べて低いように感じます。

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健常者の競技に比べて、おもしろみに欠けるのではないかという先入観がある気がします。

ドゥルーズ:
それは本当にもったいない。池さんの競技を例にとっても、車いす同士が激しくぶつかりあう迫力はもちろんのこと、緻密に戦略を練った試合展開は息をのむものでした。

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実際に見ていただくと、ガラッと意見が変わるんですよね。あんなにおもしろいとは思わなかった!という声を聞くと、やっぱり嬉しくなりますね。

ドゥルーズ:
「実際に経験しないと分からない」というのは、全てにおいて言えますよね。当社は今Diversity&Inclusionを推進していて、池さんはまさにその代表のような存在。最初はお互いに「どう接したらいいんだろう?」と悩むことはあると思いますが、まずその一歩を踏み出すことが大事。

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そうですね。皆さんが温かく応援してくれるからこそ、私もより試合を頑張ろうと思えますし、勝つことが日興アセットでの自分の仕事だと自然と思えるようになりましたね。

ドゥルーズ:
最初は戸惑った社員も多かったと思いますが、活動を知っていくうちに社内でもファンが増えていく。頑張る姿はフィールドを超えて共感できることに改めて気付かされました。

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ドゥルーズさんも、海外出身ということで同じようにマイノリティな部分があったかと思うのですが、当社で何か壁を感じることはありませんでしたか?

ドゥルーズ:
確かに日本独特の感覚などは慣れるまでに時間がかかりましたね。ただ当社では海外拠点とのコミュニケーションも活発で、東京オフィスで働く海外出身者も多く、社員の海外への受容度が非常に高かったのは助かりました。やはり先ほどの池さんの例のようにお互いの「経験」を蓄積していくことは理解を深めるためにマストだと感じます。


女性の活躍

ドゥルーズ:
当社も含め、今日本では女性の活躍を支援する動きが高まっていますよね。池さんの日本代表チームにも女性がいたことは嬉しい驚きでした。

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とても激しい競技ですから、男女混合だと聞くと驚く方も多いです。車いすラグビーは選手の障害の程度で点数によるクラス分けがあり、チームの合計点も決まっていますが、女性選手が加わると0・5点の追加ポイントが許可されます。

ドゥルーズ:
なるほど、戦略にも影響を与えそうですね。

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はい。最初は私たちも女性にぶつかったりして良いのかと躊躇することもあったのですが、彼女から勢いよく当たって来ますし、今は本当に大事なチームメイトです。

ドゥルーズ:
それはオフィスワークでも参考になりますね。物理的には起こり得なくても、心理的にも「女性にぶつかって良いのか」と悩む男性も多いかもしれないですし、その逆もあると思いますが、大事なチームメイトとして切磋琢磨した方が良いのは自明のこと。そういったジェンダーの壁を乗り越えて一丸となっていく姿勢は誰もが見習いたいものですね。


お互いが活躍していくために

ドゥルーズ:
違いを認め合って、その上で協力し合っていく。池さんが当社に加わったことで、様々な新しい気付きが得られました。

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私も当社に入って、さらに世界を広げることができました。Diversity&Inclusionの推進は、関わる全ての人の成長に繋がるのではないでしょうか。それぞれの頑張りを応援してくれる企業がもっと増えていくと嬉しいですね。

ドゥルーズ:
理解と経験を持って進めば、日本はまだまだ、もっと働きやすくなると思います。誰もが輝ける社会を目指して、これからも一緒に頑張りましょう!


ステファニー・ドゥルーズ:
常務執行役員
コーポレート・サステナビリティ部長

オックスフォード大学卒業、ハーバード大学経営大学院(MBA)修了。モルガン・スタンレーを経て、バークレイズ・ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメントに。2014年日興アセットマネジメント入社。

池 透暢 いけ ゆきのぶ:
車いす(ウィルチェアー)ラグビー
日本代表チームキャプテン

1980年生まれ。19歳の時の交通事故で四肢に障害を負うが、その後この競技に出会い、日本を代表する選手となる。2018年8月「GIO 2018 IWRF ウィルチェアーラグビー世界選手権」に出場、初優勝をおさめる。2015年日興アセットマネジメント入社。