日本債券


日本債券運用チームの哲学

日本債券運用において優れたパフォーマンスを得るには、返済能力などの定量的なリスクと、財務分析では捕捉しきれない定性的なリスクの双方を分析し、発行体の信用力を評価することが重要です。当チームでは、定性的なリスク分析をする上でESGの観点を重要な要素と位置付けています。

当チームではまた、信用力を分析するクレジットアナリストが、個々の発行体のファンダメンタルズ分析とESG要素の分析の両方を行います。業界・発行体をファンダメンタルズとESGの両面から総合的に評価し、投資判断に反映させることにより、ESGは運用プロセスに組み込まれています。

日本債券運用チームのアプローチ

日本債券運用チームはESG要素の分析にあたり、現在8項目を設定しています(環境関連で2項目、社会・ガバナンス関連で各3項目)。発行体に関する分析レポートを作成する際、クレジットアナリストにはファンダメンタルズ評価と併せてこれらのESG要素の評価をすることが義務付けられています。さらに、ファンドマネージャーとクレジットアナリストが出席する月次の社内ミーティングでは、ESGの評価を共有化しています。ESGに関する議論を重ねることこそ、発行体の信用力に悪影響を及ぼすような状況の変化(ESG関連のイベントを含む)を投資行動に迅速に反映できるプロセスを支えるものと考えています。

また、グリーンボンド(環境債)に関してはパフォーマンスへの貢献度が一義的な投資基準だと考えており、通常の債券と同様に発行体の信用力について一貫した分析を行っています。銘柄選択に関しては、第三者機関の認証がある債券のうち、高い投資リターンを期待できる証券を選好しています。

例えば、当社は2018年に日本で初めて不動産投資法人(J-REIT)が発行したグリーンボンドに投資しました。投資に先立ち発行体から聴取した結果、グリーンボンド発行がグリーン適格資産取得への取り組みやグリーンリースの導入など、発行体のファンダメンタルズにプラスの相乗効果をもたらすものと判断したことが背景にあります。

今後も、事業構造や資産の特性を考慮した上でグリーンボンド発行が良策と考えられる事業会社に対して発行を提案することで、当社はグリーンボンド市場の拡大に寄与する所存です。

直近、日本の債券市場では環境問題だけでなく社会問題にも取り組むSDG(持続可能な開発目標)債券が増えています。現時点では、特に事業会社による発行数自体が少ないものの、当社は日本の海運会社が発行するSDG債券の購入を決定しました。この発行体との定期的なコミュニケーションを通じ、同社の社会・環境への取り組みに対して理解を深めることができ、そうした取り組みがファンダメンタルズと相乗効果を発揮するものと確信しています。

モメンタムの変化を捉えるフレームワーク